テレビ番組「健康カプセル ゲンキの時間」で、天気痛について説明していました。
天気が悪くなると頭が痛くなったり、肩こりや腰痛がおきるという症状。
こういった気象の影響で色んな症状が出るのを気象病というそうです。
気象病の中でも特に痛みの症状をしめすものを天気痛といいます。
他にも痛みとともにおこってくるめまい、歯周病、肩こり、腰痛、首の痛み、関節痛。
痛みにともなって、気分の落ち込みなどの症状もみられます。
まずは、原因不明の痛みを持っている方は、天気痛かどうかのチェックをしてみましょう。
天気痛チェック
□雨が降るなど天気が悪くなるのがわかる
□乗り物酔いをしやすい
□日々ストレスを感じやすい
ひとつでもあてはまったら、天気病持ち又は、なりやすい傾向にあります。
なぜ、天気によって痛みが出るのでしょうか?
愛知医科大学 医学博士 佐藤純氏のお話です。
天気痛の原因は?
温度、湿度もありますが、気圧の変化が天気痛を引き起こしています。
気圧とは、hpa(ヘクトパスカル)で表現されていて、空気の重さで生じる圧力のことです。
一般的には、高気圧⇒晴れ 低気圧 ⇒ 雨 となります。
実際に頭痛もちの方と首が痛くなるという方で実験を行いました。
<実験内容>
人工的に気圧を上げ下げできる人口気圧室に入ってもらい、症状をみます。
首に痛みがある人だけ、腕に痛みを数値化できる機器を装置して、腕に電流を流して電圧を高めていき、首の痛みと同じになったらボタンを押してもらいます。
人口気圧室では、晴れ、曇り、雨などの気圧を実際に再現できます。
<実験内容>
気 圧 | 晴れ 1001hpa | 曇り 991hpa | 雨 980hpa |
首に痛みがある人
首の痛みレベル |
9.2 | 47.5 | 121.5 |
頭痛もちの人 | 何もなし | 身体が重い | ・頭が痛い
・しめつけられるような痛み |
<結果>
首に痛みがある人は、晴れから曇りになると5倍の痛みとなり、曇りから雨になると10倍以上の痛みとなりました。
頭痛の人の場合は、気圧を5hpa下げただけで症状がでました。
今回は気圧が下がってきた場合に症状がでましたが、逆に気圧が上がるときに症状が出る人もいます。
また、気圧が上がったり下がったり、両方の場合で症状がでる人もいます。
なぜ、気圧と症状が関係するのでしょうか?
気圧を感じるのは内耳
内耳とは、鼓膜の奥にある三半規管のことです。
視界と連動して身体のバランスをとる働きがあり、気圧を感知し脳に伝えています。
ところが気圧の変化は目に見えません。
そうすると
①脳が混乱してしまう
②それがストレスになる
③全身に張り巡らせている交換神経が興奮する
④持病や古傷を発生させる神経も混乱して、様々な痛みにつながる
気圧の変化は誰もが見えません。天気痛になる人とならない人がいるのはどうしてでしょうか。
天気痛になりやすい人とは?
耳が敏感なのです。
耳の後ろに微弱な電流を流してチェックしたところ
反応すると、めまいや眼振の症状がみられます。
正常な人 | 0.32mA |
天気痛の人 | 平均 0.09mAで反応
正常の人の約1/3で電流に反応し、不快感は3倍続きます |
・気圧の変化も同様に感じやすい耳といえます。
ですから天気痛の人は、
新幹線や飛行機に乗って気圧がかかることが苦手で、乗り物酔いしやすい人
乗り物に酔っているというより、気圧に酔っているのです。
天気痛の治療法は?
天気によって症状がおこるとなったら、痛みの場所にあわせて薬や理学療法で治療をしていきます。
自宅で簡単にできる天気痛 改善法
・お天気ノート、痛み日記をつける
天気、気圧を書く欄をもうけて、同時に痛みがあった場所も書いておきます。
毎日書くことによって、症状が客観的に判断でき、自分にベストな対策がみつかります。
気圧は、気象庁のHPで調べられます。
・耳マッサージ
耳周りの血流をよくします。
①耳を軽くつまんで、上、下、横 それぞれ5秒ずつ気持ちいい程度に引っ張る
②軽く耳を引っ張りながら、後ろに5回まわす
③耳を包むようにして、5秒間キープ
④耳全体を手でおおって、円を描くように5回マッサージする
①~⑤を、朝昼晩に3回行う
・ツボ押し
酔い止めのツボとなる 内関
5回押すようにもみましょう。
乗り物に乗る20分ぐらい前に押しておくと、予防が期待できます。
・自律神経を整える方法
①ぬるめのお風呂に入って、リラックス
②首元が凝っている人は、ホットタオルをあてる
活用したい天気痛対策
・頭痛ーる (スマホアプリ)
天気病患者の体調管理のために開発されました。
その日の気温、気圧が折れ線グラフで見られます。
気象庁からの気圧の予想値を基に、登録場所の6日先の気圧の変化がわかります。
実際にアプリを使っている人は、心構えができ、ずいぶん変わりましたとコメント。
痛みがどうして出るのかわかないという方は、お天気ノートをつけてみてはいかがでしょうか。
毎日の天気や気圧、痛みについて記録してあれば対策がたてられます。
天気痛かもと思われたら、耳の血流をよくするマッサージをやってみましょう。これで快適な暮らしを毎日過ごせたら、とてもハッピー。